懸垂のスゴイ効果
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「懸垂なんて、体育の授業以来やってないかも」。
トレーニーの間では定番の人気メニュー「チンニング(懸垂)」。チンニングバーさえあれば家でもできて、たった数回でもカラダにしっかり効く、超効率的なトレーニングなのです。
背中や腕の筋肉はもちろん、姿勢改善や基礎代謝アップにもつながるこのメニュー、実際にどんな効果があるのでしょうか? パーソナルトレーニングジム STUDIO KOMPAS(スタジオコンパス)のトレーナー・山岸慎さんが解説します。
懸垂はどこの筋肉が鍛えられる?
懸垂では主に広背筋がメインで働きます。

その他にも、上腕二頭筋(腕の前側)や僧帽筋(背中上部)、前腕の筋肉など、上半身の多くの筋群が協調して動作を支えます。

広背筋は大きな筋肉で、発達すると「逆三角形のシルエット」を形づくる土台になります。見た目だけでなく、物を引く・ぶら下がる・登るといった機能的な動作にも関わる重要な部位です。
懸垂(チンニング)に期待できるスゴイ効果とは
懸垂で主に鍛えられる広背筋は、重力下で背骨を支える重要な筋肉のひとつです。
この筋肉が強化されることで、背骨をしなやかかつ安定的にコントロールする力が養われ、日常生活における姿勢保持や動作の安定性が高まります。
また、見た目の面でも背中や肩まわりに立体感が生まれ、上半身にメリハリのあるシルエットが形成されていきます。
懸垂は1種目で「姿勢の改善」「機能の向上」「ビジュアルの変化」という3つの面に効果が期待できる、非常に効率の良いトレーニングなのです。
毎日5回でも効果はある?
懸垂は非常に高強度なトレーニングです。初心者にとっては、5回の反復でも難易度が高く、最初から達成できなくても問題ありません。
重要なのは、正しいフォームで継続することです。たとえ1〜2回でも、質の高い動作を日々積み重ねることで、筋力やフォームの改善に繋がります。
最初は低回数から始めて、少しずつ回数を増やしていくことが効果を実感するポイントです。
というか……懸垂は毎日やってもいい?

トレーニング効果を高めるためには、運動と休養のバランスが非常に重要です。
明らかに筋肉痛が強く残っていたり、疲労が溜まっていると感じる日は、無理に継続せず休養日を入れることが体の回復には効果的です。
ただし、それ以外の場合であれば、懸垂は比較的コンパウンド系(多関節)のトレーニングのため、頻度高めで取り組んでも問題ありません。
中級者以上になってくると、2日に1回のペースで取り入れることで、筋力と筋持久力の両面をバランスよく鍛えることができます。
懸垂(チンニング)の正しいやり方
ここからは、実際に懸垂のフォームとやり方について解説していきます。
初級編!足をつけたまま行う「アシスト懸垂」
足を床や台につけた状態で行う懸垂です。自体重を100%支える必要がないため、懸垂が1回もできない初心者にもおすすめの方法です。
1. 足を床につけた状態で、肩幅より少し広めにバーを握り、背すじを伸ばす
2. 足で軽く支えながら、胸をバーに近づけるように体を引き上げる
3. 鼻先がバーに届いたら、背中の力を意識しながらゆっくり戻す
中級編! ゴムバンドを使った「アシストバンドチンニング」
トレーニング用のゴムバンド(アシストバンド)を使って行います。自体重の一部をバンドが支えてくれるため、懸垂が難しい初心者でも取り組みやすくなります。
1. 懸垂バーにアシストバンドをしっかり結びつけ、バンドの輪に片足または両足を通して体を預ける
2. 背中を意識して体を引き上げる
3. 顎がバーの高さにきたら、ゆっくり戻る
懸垂の効果が出ない「NGなやり方」
懸垂を効果的かつ安全に行うためには、胸椎(背骨の上〜中部)の可動性と、肩甲骨の安定性が重要です。
たとえば、「ぽっこりお腹で猫背」のようなスウェイバック姿勢の方は、胸椎の動きが硬く、肩甲骨も不安定な状態になっているケースが多く見られます。
このような姿勢で懸垂を行うと、誤ったフォームに繋がりやすく、効果が出にくいばかりか、怪我のリスクも高まります。

ただし、そういった方でも「やらない」という選択は避けるべきです。大切なのは、自分のレベルに合った難易度に調整しながら、少しずつ改善に向かうことです。
たとえば、アシストバンドの使用や、ネガティブ動作(ゆっくり降りる)などから始めることで、無理なく懸垂動作に近づけていくことが可能です。