マグネシウムについて
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マグネシウムは、人体にとって重要なミネラルであり、さまざまな生理的機能に関与しています。普段からマグネシウムを意識して摂っている人は少ないかもしれませんが、適切に摂ることで健康に寄与し、皆さんのQOLを高めてくれるかもしれません。そんなマグネシウムについて説明していきたいと思います。
体内におけるマグネシウムの役割
マグネシウムは、カルシウムやリンとともに骨や歯を形成していて、体内では約6割が骨や歯に存在しています。残りは筋肉や脳・神経に存在し、以下のような役割を担っています。
1. 筋肉の機能: マグネシウムは筋肉の収縮と弛緩に関与しており、筋肉の正常な機能を維持します。これにより、筋肉のけいれんや痙攣を防ぐ効果があります。
2. 神経の健康: マグネシウムは神経伝達物質の合成に関与し、神経の健康をサポートします。ストレスや不安の軽減にも寄与することがあります。
3. エネルギー代謝: マグネシウムはATP(アデノシン三リン酸)の合成に必要であり、エネルギーの生成に重要な役割を果たします。
4. 骨の健康: マグネシウムは骨の構造に関与し、カルシウムとともに骨密度を維持するために重要です。骨粗しょう症の予防にも寄与します。
5. 心血管の健康: マグネシウムは血圧を調整し、心臓のリズムを正常に保つ役割があります。心血管疾患のリスクを低下させる可能性があります。
6. 血糖値の調整: マグネシウムはインスリンの作用を助け、血糖値の調整に寄与します。糖尿病の予防や管理に役立つことがあります。
7. 消化のサポート: マグネシウムは消化酵素の働きを助け、腸の健康を維持する役割もあります。
現代人はマグネシウム不足!?
マグネシウムは、体内で作られることはないので、体外から摂取しなければなりません。
厚生労働省によると、マグネシウムの1日の食事摂取基準量は以下のように定められています。
- 18~29歳:男性340mg、女性270mg
- 30~64歳:男性370mg、女性290mg
- 65~74歳:男性350mg、女性280mg
しかし、以下の理由で現代人はマグネシウムが不足気味であるといわれています。
- 日本食を食べる機会の減少
- 加工食品やファストフードの増加
- 慢性的なストレス
心当たりのある人は少なくないのではないでしょうか。
マグネシウム不足の症状
マグネシウムが不足すると以下のような症状や病態が起こるといわれています。
- 低カルシウム血症
- 骨粗しょう症
- 心疾患
- 筋肉の痙攣(けいれん)
- 冠動脈のれん縮
- 神経・精神疾患
- 不整脈
- 食欲不振
- 下痢、便秘 など
マグネシウムを多く含む食材
マグネシウムを多く含む食材には、以下のようなものがあります。
1. ナッツ類:アーモンド、カシューナッツ、くるみなどは特にマグネシウムが豊富です。
2. 種子類:かぼちゃの種やひまわりの種も良い供給源です。
3. 葉物野菜:ほうれん草やケールなどの緑色野菜は、マグネシウムを多く含んでいます。
4. 全粒穀物:玄米やオートミール、全粒パンなどもマグネシウムの摂取に役立ちます。
5. 豆類:黒豆やレンズ豆、ひよこ豆などもマグネシウムが豊富です。
6. 魚介類:特にサバやサーモンなどの脂ののった魚も良い選択肢です。
7. ダークチョコレート:カカオ含量の高いダークチョコレートもマグネシウムを含んでいます。
これらの食材をバランスよく取り入れることで、マグネシウムを効率的に摂取することができます。
マグネシウムを食材から取りにくい人はサプリメントから摂取することもおすすめです。
ただし、過剰に摂取すると下痢を引き起こす可能性があるため注意が必要です。記載された適切な量を摂るようにしましょう。
まとめ
マグネシウムは骨を構成する成分の一つであるため、不足すると骨折のリスクが高まります。また、体内で起こる代謝反応やエネルギー産生の補酵素としても働いており、神経伝達や筋肉収縮、ホルモン分泌などにも影響を与える物質です。
マグネシウムは、幅広い食品に含まれるため、通常の食生活ではマグネシウム欠乏による症状がみられることはほとんどありません。
マグネシウムは、体内の健康を維持するために重要な役割を果たしていますので、日ごろの食生活から意識してみるのはいかがでしょうか。