コーヒーってどれくらい飲んでいいの?
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眠気覚ましやリフレッシュを目的に、または味や香りが好きという理由から、多くの方がコーヒーを習慣的に飲んでいます。しかし、コーヒーにはカフェインが含まれており、過剰摂取すると体調を崩す恐れがあるため、飲み過ぎには注意が必要です。
この記事では、コーヒーに含まれている成分の特徴や、1日の摂取量の目安、過剰摂取による身体への影響などを解説します。毎日のコーヒー習慣を健康的に楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。
コーヒーに含まれている主な成分
コーヒーにはさまざまな成分が含まれていますが、なかでも注目したいのは「カフェイン」と「ポリフェノール」です。まずは、それぞれの成分が持つ働きやコーヒーに含まれる量を紹介します。
1.1.カフェイン
カフェインとは、コーヒー豆や茶葉などに含まれている食品成分の一つです。商品によって異なりますが、一般的なコーヒーには100mlあたり60mgのカフェインが含まれています(コーヒー粉末10gを熱湯150mlで抽出した場合)。
カフェインは脳の中枢神経に作用し、身体を活発にする働きがあるため、カフェインを含む飲み物や食べ物を摂取すると頭がすっきりし、眠気覚ましや集中力の向上が期待できます。
なお、コーヒー以外にも、ウーロン茶や紅茶、エナジードリンクまたは、風邪薬や酔い止め薬などの市販薬にも添加されていることがあり、普段コーヒーを飲まない方でも、無意識にカフェインを摂取している可能性があります。
1.2.ポリフェノール
ポリフェノールは、多くの植物が持つ苦味や渋味、色素の元となる成分です。「アントシアニン」や「カテキン」などが該当します。
なお、ポリフェノールはコーヒー以外にも「赤ワイン」や「紅茶」「緑茶」などにも含まれています。
コーヒーに含まれているポリフェノールは、100mlあたり200mgが目安です。なかでも代表的なのが「クロロゲン酸」という成分で、糖質の吸収を抑え、食後の血糖値上昇を緩やかにしてくれることが確認されています。
コーヒーには、赤ワインとほぼ同じ量のポリフェノールが含まれており、ポリフェノール含有量の多い食品であることが分かります。
コーヒーの1日の目安量
結論として、コーヒーの1日の摂取上限の目安は、健康な成人の場合でマグカップ3杯程度、妊婦の方は2杯程度が推奨されています。
摂取上限の目安が設けられているのは、コーヒーに多くのカフェインが含まれており、過剰摂取すると健康被害をもたらす可能性があるためです。
また、国際機関や各国の情報を参考にすると、カフェインの1日あたりの摂取許容量は、以下のように示されています。
- ・健康な成人:1日400mgまで
- ・妊婦・授乳中の方:1日200~300mgまで
ただし、カフェインの感受性には個人差があるため、これらはあくまで目安として考えましょう。めまいや吐き気など体調の異変を感じた場合は、カフェインの摂取を控えることが大切です。

国際機関や世界各国の発表
カフェインの1日の摂取上限の目安は上記でご紹介した通りですが、国際機関や世界各国で実際に提示されているカフェインの摂取上限の目安は、以下のとおりです。
国・機関 | カフェインの摂取上限の目安(1日) |
---|---|
米国:米国食品医薬品局(FDA) | ・健康な大人:400m・妊婦・授乳中・妊娠予定または服薬中:かかりつけ医への相談を推奨 |
カナダ | ・18歳以上の大人:400m・妊婦・授乳中:300m・18歳までの子どもや青少年:体重1kgあたり2.5m |
欧州:欧州食品安全機関(EFSA) | ・妊婦を除く大人:400m・妊婦・授乳中:200m・子ども:体重1kgあたり3m |
豪州・ニュージーランド | ・18歳より上:400mg未満・妊婦・授乳中:200mg未満・18歳以下:体重1kgあたり3mg未満 |
世界保健機関(WHO) | ・妊婦・授乳中:300mg未満 |
多くの国際機関や国において、カフェインの1日の摂取上限は400mgを目安に設定されています。
商品や抽出方法によって異なりますが、コーヒー100mlあたり60mgのカフェインが含まれているとすると、約650mlが1日の摂取量の目安です。そのため、マグカップ1杯のコーヒーを200mlとした場合、約3杯が1日の摂取上限となります。
2.2.日本における目安量
日本では、カフェインに対する感受性の個人差が大きいといった理由から、カフェイン摂取許容量に関する独自の基準は設けられていません。
各省庁の公式サイトでは、国際機関や各国の情報に基づき、カフェインに関する注意喚起や情報発信が行われています。
カフェインを摂り過ぎるとどうなる?過剰摂取の影響
カフェインを過剰摂取すると、脳の中枢神経や消化器官が刺激され、身体に以下のような影響を及ぼす可能性があります。
- ・めまい
- ・心拍数の増加
- ・興奮
- ・不安
- ・震え
- ・不眠
- ・下痢
- ・吐き気、嘔吐
また、長期的に見ると、カフェインの過剰摂取は高めの血圧になるリスクを増加させることがあります。カルシウムの摂取量が少ない方の場合、カフェインの作用により体内からのカルシウムの排出量が増えることで、骨が脆くなってしまう恐れもあります。

コーヒー以外にカフェインを含む飲み物
眠気覚ましや集中力の向上などを目的にコーヒーを飲んでいる方のなかには、カフェインの摂取量が気になり、別の飲み物を試したいと考えている方もいるでしょう。
コーヒー以外でカフェインを含む主な飲み物は、以下のとおりです。
種類 | カフェイン濃度 | 抽出方法 |
---|---|---|
エナジードリンクまたは眠気覚まし飲料(清涼飲料水) | 32~300mg/100ml(製品によって異なる) | ー |
抹茶(粉末) | 3.2g/100g(お湯70mlに1.5g溶かした場合、カフェイン含有量は48mg) | ー |
紅茶(浸出液) | 30mg/100ml | 茶葉5g/熱湯 360ml、1.5〜4分 |
玉露(浸出液) | 160mg/100ml | 茶葉10g/お湯60度 60mL、 2.5分 |
ほうじ茶(浸出液) | 20mg/100ml | 茶葉15g/お湯90度 650ml、0.5分 |
ウーロン茶(浸出液) | 20mg/100ml | 茶葉15g/お湯90度 650ml、0.5分 |
せん茶(浸出液) | 20mg/100ml | 茶葉10g/お湯90度 430ml、1分 |
玄米茶(浸出液) | 10mg/100ml | 茶葉15g/お湯90度 650ml、0.5分 |
エナジードリンクや眠気覚まし飲料(清涼飲料水)は、製品によってカフェインの濃度や内容量が異なり、コーヒー以上にカフェインが含まれている場合もあるので、摂取量には注意が必要です。
またほうじ茶やウーロン茶、せん茶であれば、カフェイン一日400mgと考えると1日2Lまでを目安にすると良いでしょう。
まとめ
コーヒーは、カフェインを多く含んでいる飲み物であるため、過剰摂取には注意が必要です。健康な成人の方であれば、1日の摂取量をマグカップ3杯程度に留めておくことをおすすめします。
適切な量を守ってコーヒーを楽しむことで、食後の血糖値のケアや肥満気味の方の内臓脂肪の減少サポート、高めのBMIの改善効果が期待できます。その他の食品に含まれるカフェインも考慮しながら、健康的にコーヒーを取り入れていきましょう。