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脱肥満!内臓脂肪について知ろう!

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はじめに

内臓脂肪がたまると、糖尿病や心筋梗塞などの生活習慣病を引き起こしやすくなります。

体重が標準以下の人も要注意。太っているように見えなくても、内臓脂肪が蓄積しているケースは珍しくありません。見た目では分からないため、知らない間に病気が進んでいることもあります。

バランスのよい食生活と適度な運動を取り入れて、内臓脂肪の蓄積を防ぎましょう。

そもそも内臓脂肪とは?

腹腔(お腹)内面や内臓は薄い半透明な膜(腹膜)に覆われていますが、その膜の表面につくのが内臓脂肪です。

内臓脂肪は「余剰エネルギーの倉庫」であり、脂肪細胞の1つひとつにエネルギー源となる中性脂肪(トリグリセリド)が蓄積されます。

また、脂肪細胞からは、様々な生理活性物質(ホルモンに類似した物質)が分泌されています。

脂肪細胞が肥大すると分泌物質のバランスが乱れ、血圧や血糖値、血液中の脂質に悪影響を及ぼした結果、生活習慣病を引き起こします。

内臓脂肪と皮下脂肪には以下のような特徴があり、脂肪のつき方や燃焼のしやすさが違います。

●内臓脂肪・・・腹腔(お腹)内面や内臓の周囲につく
・男性、閉経後の女性につく傾向がある
・燃焼しやすく、減りやすい
・過剰な蓄積は「生活習慣病」の原因となる

●皮下脂肪・・・皮下につく(お尻や太ももにつきやすい)
・女性、子どもにつく傾向がある
・燃焼しにくく、減りにくい
・過剰な蓄積は睡眠時無呼吸症候群、関節痛、月経異常などの原因となる

内臓脂肪がたまる原因は?

原因は過食運動不足です。摂取したエネルギーが運動や基礎代謝で消費されずに体の中で余ってしまうと、中性脂肪に変えられて脂肪細胞に蓄えられます。

お腹の中にある脂肪細胞の1つひとつが膨らむことで、腹部肥満の状態となります。

ただ、注意しなくてはならないのは標準体重以下であっても、腹部肥満になる可能性があることです。

体重とは筋肉、骨、血液を含む水分、脂肪などの合計値であり、体重だけでは脂肪の割合は判断できません。

太っているように見えなくても、CTスキャン画像では内臓脂肪が過剰に蓄積されているケースは珍しくありません。

見た目で分かる肥満ではないからこそ、知らぬ間に病気が進んでしまう危険性があります。

肥満の自覚がない人も、運動不足の人、若い頃はやせ型で中年以降に標準体重になった人などは、腹部肥満に注意しましょう。

日本人は脂肪に弱い?

膵臓から分泌されるホルモンの一種に「インスリン」があります。インスリンの働きは、血糖値の降下や中性脂肪の蓄積を促進すること。

狩猟民族であった欧米人は、高脂肪食・高エネルギー食の習慣が何千年も前からあり、多くのインスリン分泌を必要としました。

それに対して、農耕民族であった日本人は低脂肪食・低エネルギー食を食べてきたので、欧米人ほどのインスリン分泌は必要ありませんでした。

ただ、現在は日本人も高脂肪食・高エネルギー食を摂ることが多くなっています。

日本人は高脂肪食・高エネルギー食に対して十分な量のインスリンを分泌できないことから糖尿病や脂質異常症を招きやすく、それが「日本人は脂肪に弱い」といわれる理由です。

内臓脂肪が原因で、糖尿病・心筋梗塞など生活習慣病全般が起きやすい!

内臓脂肪から分泌される生理活性物質の影響により、「脂質異常症」、「高血圧症」、「糖尿病」を発症しやすくなります。これらは単独でも動脈硬化を進める原因となります。

動脈硬化が進行して生命にかかわる病気のリスクを一層高めることになるのです。

減量の目安は、現在の体重からまずは3%

現在の体重のまずは3%減少という比較的軽度の減量を、3~6カ月の緩やかなペースで達成することを目標にしましょう。

わずか1キロの減量であっても、ウエスト周囲長は1センチ短縮するといわれています。

コツコツの積み重ねが重要です。

成功の秘訣! 体重をグラフ化しよう

体重測定を意識的に行うことは、減量において非常に効果的です。測定のポイントは以下の3つ。
1、1週間の体重変動ではなく、毎日の変動に注目する
2、起床時の体重測定を基本とする
3、起床時の体重が増加した時は、その理由を検討する。多くは、前日の夕食内容や時間に問題があるはず。日々の改善を心がけましょう。

どんな食事をすれば太りにくくなる?

摂取カロリーを減らすことが基本となりますが、そのためには、1日3食きちんと摂ることが大切です。

まず、朝食を抜いてはいけません。朝食を摂らないと、1日の食事のリズムが崩れやすくなるという悪影響があります。

朝食抜きでお腹が空き、お菓子を食べたとしても糖分は早く吸収されるので、昼食は空腹状態で摂ることになります。すると昼食を食べ過ぎ、夕食の時間が遅れがちに……。

そして夕食から就寝までの間隔が短くなり、摂取したエネルギーが消費されず脂肪細胞にため込まれます。

さらに、就寝中は消化活動が活発には行われないため、翌朝空腹感をあまり感じず、朝食を抜くという悪循環が繰り返されます。

朝食で1食分のエネルギーを摂取しなかったとしても、まとめ食いや間食によるカロリーオーバーや、就寝前の過剰摂取で、内臓脂肪は増加の一途です。

また、カロリー計算の習慣をつけることも重要です。1日に必要なカロリーは、成人男性で2000~2200キロカロリー。

成人女性で1800~2000キロカロリーです。まずは、その範囲に抑えた上で、減量プランを立てましょう。

1キロの脂肪組織は7000キロカロリーですから、1カ月で1キロ減らすには、1日240キロカロリーずつ減らしていくことが目安になります。

どんな運動を取り入れるといいの?

まずは手軽なウォーキングから始めてみましょう。週3回、30分~1時間程度がおすすめです。

注意点としては、開始前にストレッチをすること。車や電車の移動で現代人は歩く機会が減っていることが多いので、いきなりだと、関節や筋肉を傷めることもあるからです。

膝関節痛や腰痛がある人は、プールでの水中ウォーキングがよいでしょう。

慣れた後は、早足、ジョギングへのペースアップ、水泳やサイクリング、縄跳びなどをすれば、短時間で、より効率的にカロリーを消費できます。

日常生活に運動を取り入れよう

また、運動ができなくても、普段の生活の中でエネルギーの消費量を増やすことができます。まとまった時間がとれない場合には、家庭内、会社内、通勤中などで様々な工夫が可能です。日常生活で体を動かすコツは次の通りです。
※カッコ内は安静時に比べたエネルギー消費量

●そうじ、洗車など、家事でできるだけ体を動かす。(3.0~3.3倍)
●エレベーターやエスカレーターを使わず、階段を利用する。(4.0倍)
●電車やバスでは座らないようにする。(1.8倍)
●炊事をしながら、かかとの上げ下げ。(2.0倍)
●ふとんの上げ下ろしのときは、動作を大きく。(2.0倍)
●TVを見ているときも、横になって上の脚を上下させる。
●通勤でバスや電車を利用している人は、1つ手前の停留所、駅で降りて歩く習慣をつける。(やや速歩 3.5倍)
●食事の材料、買い物は1週間分を買いだめするのではなく、毎日歩いて買い出しに行き、歩く習慣をつける。

最後に

内臓脂肪のことを正しく理解し、バランスのよい食生活と適度な運動を取り入れて、内臓脂肪の蓄積を防ぎましょう。

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