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トレーニーの風邪予防

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はじめに

寒い時期が続き、風邪やインフルエンザが流行っていますが、いかがお過ごしでしょうか。

風邪はひきたくないものですが、トレーニーは意外にも風邪をひきやすい傾向があります。

主な理由としては以下になります。

  1. 免疫力の低下:激しい運動をすると、大量の血液が筋肉に流れ、皮膚や粘膜の防御機能が低下します。また、呼吸数が増えて気管が乾燥し、病原菌が付着しやすくなります。
  2. テストステロンの影響:筋肉トレーニングによって分泌が促進される男性ホルモンのテストステロンは、体のウイルスとの戦いを抑制する効果があります。
  3. 粘膜免疫の一時的な低下:運動後、唾液中のSIgA(分泌型免疫グロブリンA)が減少し、病原体の侵入を防ぐ能力が一時的に低下します。
  4. 持久性トレーニングの影響:持久性トレーニングは、ウェイトトレーニングよりも免疫力を下げやすいとされています。

以上のような理由で、トレーニーの方々は風邪にひきやすい傾向にあるので、風邪をひかないために、予防・対策を行うことが大切になります。しかしどのようにすればいいのか分からないという方もいらっしゃると思うので、おすすめの栄養素をお伝えしていきます。

風邪予防に役立つ栄養素と食品

風邪予防に役立つ栄養素と食品には以下のようなものがあります:

1.タンパク質:免疫細胞の主成分となり、体力や免疫力の維持に不可欠です。

2.ビタミン類

・ビタミンA(βカロテン):にんじん、小松菜、春菊などの色の濃い野菜に含まれ、のどや鼻などの粘膜を健康に保ち、ウイルスの侵入を防ぎます。

・ビタミンC:みかん、ピーマン、ブロッコリーなどに多く含まれ、白血球の働きを強化し、ウイルスや細菌と戦う免疫力を高めます。

・ビタミンE:かぼちゃ、アボカド、植物油、アーモンドなどに含まれ、血行を良くし、免疫機能をサポートします。

3.発酵食品:ヨーグルト、納豆、キムチなどに含まれる善玉菌が腸内環境を整え、免疫細胞の働きを助けます。

4.食物繊維:きのこ類、野菜、海藻、果物に多く含まれ、腸内環境を改善します。

5.体を温める食材:しょうが、にんにく、とうがらし、根菜類は体を温める効果があり、免疫力の維持に役立ちます。

6.亜鉛:ビタミンAの体内保持や白血球の生成を助けます。牛肉や魚介類に多く含まれています。

これらの栄養素をバランスよく摂取することで、風邪予防に効果的です。また、適度な運動と十分な休養を取り、メリハリのある生活を送ることも重要です。

最も効果的なのはビタミンC

風邪予防に最も効果的なビタミンは、ビタミンCです。以下にその理由を説明します:

1.免疫機能の強化:ビタミンCは白血球の機能を向上させ、免疫システムを強化します。風邪をひきやすい人は白血球中のビタミンC濃度が低いというデータがあります。

2.風邪の罹患率低下:1日1gのビタミンCを9ヶ月間摂取したグループでは、風邪の罹患率が34%と、無摂取群の44%よりも低かったことが報告されています。

3.症状の軽減と回復期間の短縮:風邪の初期症状時に高用量(4g〜8g)のビタミンCを摂取すると、症状の軽減と回復期間の短縮効果が認められています。

4.抗酸化作用:ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち、トレーニング中に生じる酸化ストレスから体を守ります。

トレーニング中は特に高用量(3g〜6g)のビタミンC摂取が推奨されます。ただし、バランスの取れた栄養摂取が重要であり、ビタミンA、E、Dなども併せて摂取することで、より効果的な風邪予防が期待できます。

亜鉛がおすすめな理由

上記で風邪予防のために、亜鉛を摂取することをおすすめしたのですが、亜鉛についてより詳しく説明していきます。亜鉛を摂取することで免疫力が強化されるのですが、具体的なメカニズムは以下の通りです。

1.B細胞の機能強化

  • ZIP10という亜鉛トランスポーターによって運ばれる亜鉛が、B細胞受容体(BCR)の情報伝達の強度を調節します。
  • これにより、B細胞の抗体産生能力が向上し、抗原特異的な獲得免疫応答が強化されます。

2.粘膜防御機能の維持

  • 亜鉛は粘膜の防御機能を維持し、細菌やウイルスなどの病原体の侵入を防ぎます。

3.抗酸化作用

  • 亜鉛はスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)という抗酸化酵素の活性中心として機能し、細胞を酸化ストレスから守ります。

4.DNA修復と細胞分裂の促進

  • 亜鉛はDNAの転写や修復、細胞分裂のプロセスに関与し、免疫細胞の正常な増殖と機能を支援します。

5.タンパク質合成の促進

  • 亜鉛は200種類以上の酵素に関与し、タンパク質の合成を促進します。これにより、免疫細胞の生成と機能が向上します。

6.有害金属の排出

  • 亜鉛には水銀などの有害金属を体外へ排泄する働きがあり、免疫系への悪影響を軽減します。

これらのメカニズムにより、亜鉛の摂取は免疫系全体の機能を強化し、病原体に対する防御能力を高めます。特に、亜鉛不足の状態では免疫機能が低下するため、適切な亜鉛摂取は免疫力維持に重要です。

グルタミンをおすすめする理由

グルタミンは風邪予防に効果的な栄養素です。以下にその理由を説明します。

1.免疫機能の強化

  • グルタミンは免疫細胞のエネルギー源となります。
  • 免疫グロブリンA(IgA)抗体の材料となり、ウイルスの捕獲を助けます。

2.免疫細胞の保護

  • グルタミンが不足すると、免疫細胞のアポトーシス(細胞死)が増加します。
  • グルタミン摂取により、免疫細胞の機能維持と感染防御能の維持が期待できます。

3.抗酸化作用

  • グルタミンは抗酸化物質グルタチオンの材料となり、酸化ストレスを軽減します。

具体的な摂取量とタイミング

1.推奨摂取量

  • 体重1kgあたり0.2g以上のグルタミン摂取が推奨されます。
  • 例:体重60kgの場合、1日12g以上が目安。

2.トレーニング時の摂取量

  • 1回あたり5g程度、1日合計20~30gを目安に摂取します。
  • プロテインを摂取している場合は、含有量を考慮して調整します。

3.タイミング

  • トレーニング後や就寝前の摂取が効果的です。

グルタミンを適切に摂取することで、トレーニングによる免疫機能の低下を防ぎ、風邪予防に役立てることができます。

まとめ

トレーニーの風邪予防のためのおすすめの栄養素としては、亜鉛・ビタミンC・グルタミンの3つが挙げられます。この3つの栄養素を食事やサプリメントで適切に摂取していき、食事・運動・睡眠のバランスを整えて、腸を元気に保ち、疲労・ストレスをできるだけためないよう心がけて生活していきましょう。ハードなトレーニングを行うには、心身ともに元気で健康であることが必要です。今日も元気にトレーニングをするために、健康第一で頑張っていきましょう。

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