グルテンフリーを解説

一度は耳にしたことがある人は多いはずです。ルテンフリーとは、小麦や大麦、ライ麦などに含まれるたんぱく質「グルテン」を含まない食品や食事スタイルのことを指します。

グルテンは、特にパンやパスタなどの製品に多く含まれており、これを避けることが必要な人々、例えばセリアック病の方やグルテンに敏感な方々にとって重要です。

グルテンフリーの食事では、米、とうもろこし、そば、キヌアなどの穀物や、野菜、果物、肉、魚、豆類などが主に摂取されます。最近では、グルテンフリーの製品も多く販売されており、選択肢が増えてきています。

グルテンフリーの効果

グルテンフリーの食事を実践することで、以下のような効果が期待できます。

1. 消化の改善: グルテンを避けることで、腹痛や膨満感が軽減されることがあります。
2. エネルギーレベルの向上: 一部の人々は、グルテンを除くことで疲労感が減少し、エネルギーが増すと感じることがあります。
3. 肌の健康: グルテンが原因で肌のトラブルがある場合、グルテンフリーの食事が改善につながることがあります。
4. 体重管理: グルテンフリーの食品は、しばしば加工食品が少なく、自然な食材を多く含むため、健康的な体重管理に役立つことがあります。

特別な理由がない場合は、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。何か特定の健康問題がある場合は、医師や栄養士に相談することをお勧めします。

グルテンフリーのデメリット

グルテンフリーの食事にはいくつかのデメリットがあります。以下にいくつか挙げます。

1. 栄養不足の可能性: グルテンを含む食品（例えば、全粒粉のパンやパスタなど）には、食物繊維やビタミンB群が豊富に含まれています。これらを避けることで、栄養が不足する可能性があります。
2. 食材の制限: グルテンフリーの食事を選ぶと、食べられる食品が限られてしまうことがあります。外食や友人との食事の際に、選択肢が少なくなることもあります。
3. コストが高い: グルテンフリーの製品は、通常の製品よりも高価なことが多いです。特に、特別に製造されたグルテンフリーのパンやスナックは、価格が上昇する傾向があります。
4. 味や食感の違い: グルテンフリーの食品は、グルテンを含む食品と比べて、味や食感が異なることがあります。これにより、好みが分かれることもあります。
5. 社会的な影響: グルテンフリーの食事を選ぶことで、周囲との食事の場で気を使うことが増えるかもしれません。特に、家族や友人と一緒に食事をする際に、配慮が必要になることがあります。

グルテンフリーの食事が全ての人にとって健康に良いわけではありません。これらのデメリットを考慮しながら、自分に合った食事スタイルを見つけることが大切です。

グルテンフリーとダイエットの関係性

医学的にはグルテンと体重減少の因果関係は、はっきりと解明されていません。単純にグルテンを食べたから体重が増える、というわけではないのです。

しかし、そもそも小麦製品は高カロリーのものが多数。そのため小麦製品を食べないようにするだけでも摂取カロリーが変わり、ダイエット効果が上がるということは十分あり得ます。

一般的なクッキー・ビスケット・ケーキ・ドーナツ・マフィン・菓子パンなどはどれも、おいしいけれどダイエット中は控えたいもの。グルテンフリーダイエットでは必然的に、それらとサヨナラすることになるのです。

また、小麦粉に含まれる成分には中毒性があるとも言われています。
ついつい食べると止まらなくなるクッキーも、小麦のせいだとしたら？できるだけ避けておいてもいいかもしれません。

ただ、グルテンフリーにはダイエットにつながる効果があるのも事実です。

まず、小麦には血糖値を急上昇させる作用を持つ「アミロペクチンA」という糖質が含まれているので、小麦製品を摂るほど血糖値が急上昇しやすく、その分体脂肪がつきやすくなります。
同じカロリーでも、小麦製品とお米では、小麦製品のほうが体脂肪が増えやすくなるのです。

ゆるグルテンフリーから始めよう

グルテンフリーを試してみようと思う人はまず「ゆるグルテンフリー」から始めてみましょう。

グルテンフリー食の基本は和食。和食には、ごはんを中心として、グルテンをあまり使わない料理がたくさんあります。

• 調味料

しょうゆやみそは小麦を原料としていますが、グルテンを形成していないもしくは含まれていても少量のため、“ゆる”グルテンフリー生活においては、厳格に除去する必要はないでしょう。

• 麺類

麺類であれば、十割そば、ビーフン、パッタイ、春雨などを選びましょう。

• パンやクッキー

パンやクッキーは米粉パンや米粉クッキー（グルテン無添加のもの）、せんべいなどで代替できます。

• カレーやシチュー

カレーやシチューは市販のルーを使わずに米粉や片栗粉でとろみをつければグルテンフリーになります。

• 揚げ物

天ぷらや唐揚げの衣は小麦粉ではなく米粉で代用できます。パン粉を使う料理は、米を原料としたパン粉製品も市販されています。

外食はグルテンを含む料理が多いため、外食をした翌日はグルテンフリーにしてバランスをとるのも“ゆる”グルテンフリーのポイント。そしてあまり厳格になりすぎないことがコツです。一定期間試してみてグルテンフリー生活が体質に合っているなら、グルテンフリー期間をのばしたり、頻度を高めていくのもおすすめです。

まとめ

「糖質制限」「一日一食」「朝食は摂るべき/摂らないほうがよい」 など、食に関する見解・言説が巷にはあふれています。
グルテンフリーは大変、難しいというイメージを持たれがちですが、意外と食べられるものは多く、コツさえつかめば、実践しやすい食事法だと思います。

グルテンフリーは「食べない」ではなく、自らが口にするものを「選ぶ」習慣です。 
まずは無理のないところから始めて体調をみながら徐々に進めていきましょう。

改めて自分自身の体・心と向き合ってみてはいかがでしょうか。